コンテンツ2の特徴的な脊柱機能(Buffering Function)評価の一つに、局所の弯曲運動不全を打診にて推察する手法がある。その手法は以下の通り。
注) 最初は軽く叩いて痛みが感じられなければ、徐々に強く叩いてください。
これは、筋肉のハリの状態を検査しており、叩いて痛みのでた部分によって先ほどの 1〜3のうちのどれが原因であったのかが判ります。
「上」の部分が痛み・違和感あり → 原因は " 心身相関”
「中」の部分が痛み・違和感あり → 原因は " 内臓のストレス”
「下」の部分が痛み・違和感あり → 原因は " 体力低下”
また、全脊柱側面レントゲン画像によっても要因の推察は可能である。
体力の評価として、“%MV(%muscle volume:筋質量)”と“WBI(weight bearing index: 体重支持指数)”を用いる。
%MVは、総たんぱく質量(kg)/体重(kg)×100=%MVという式で表され、身体における総たんぱく質量の割合が算出できる。
WBIは、膝屈曲70度位での膝伸展筋群等尺性随意最大筋力を体重で除して算出する。この値は、人が重力に抗してどれだけの運動機能を有しているかを評価することができ、年齢・性別・疼痛部位には左右されない絶対的体力指数である。
ところで、%MV とWBIには次の表のような関係がある。例えば、%MVが72%であれば、WBIは100となり、日常生活を全て有酸素代謝で行うことができ、自己修復力が働きだすレベルである。(表2)
WBIは、椅子からの立ち上がり、ハンドヘルドダイナモメータでも相関が実証されており(図8、表3)、高価な測定機器(Biodex社製 system3など)を購入しなくても、簡便に計測することができる。
下位胸椎の弯曲アライメント異常:内臓ストレスは、自律神経と体性神経相互の反射である「体性‐内臓反射」、「内臓‐体性反射」、「内臓‐内臓反射」のうちの「内臓‐体性反射」の影響を受ける。
「内臓‐体性反射」とは、求心路が求心性自律神経、遠心路が体性運動神経からなる反射機構で、腹腔臓器細胞がストレスを受けると求心路を介してその情報を下位胸髄(中枢)へ伝える。
下位胸髄では、反射弓による下位胸髄支配の筋性防御(安静時筋緊張亢進)が働き、これにより下位胸椎~上位腰椎の弯曲アライメント異常を観察できる。
自律神経を直接評価することは非常に難しい。そこで、自律神経の影響が強い心機能にて間接的に自律神経の評価が可能となる。
また、上限心拍法以外にも、自律神経症状の重要な要素である睡眠の時間・質の評価も大切となる。
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