スパインダイナミクス療法

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Spine Dynamics 療法の理論

Spine Dynamics 療法の基本的考え方

作用‐反作用力エネルギー伝達の効率不全が、疼痛・拘縮・変形の原因となる。そのため、運動連鎖関節のうち、運動エネルギーの起点と終点にあたる脊柱Buffering Functionの機能状態を定量評価し、Spine Dynamics療法により改善させる。これは姿勢制御機構の正常化(重力ストレスによる身体応答正常化)につながる。

脊柱Buffering Functionを破綻させる要因

正常な脊柱Buffering Functionを破綻させる要因には、心身に生じるストレスが大きく関与する。

  1. 体のストレス
  2. 心のストレス
  3. 内臓のストレス
1 体のストレスには、体力低下による 1.骨性支持、2.筋乳酸性代謝による交感神経機能ストレスの増大 が挙げられる。
  1. 図2 骨性支持(物理的側面)
    体力の低下により、体の支持性は筋性支持から骨性支持に移行する。(※図2)
    骨性支持への移行は、脊柱のBuffering Functionのうち、柔軟性(反作用力緩衝機能)を低下させる。 脊柱柔軟性低下(反作用力緩衝機能の低下)は作用力低下につながり、体幹四肢の筋出力(作用力)抑制を惹起する。 矢状面骨性支持アライメントは椎体支持となるので脊柱全体がFLATなしはSwaybackタイプとなる。
  2. 筋乳酸性代謝による交感神経機能ストレスの増大(反射的側面)
    表2 体力低下、すなわち実質の筋量の低下、筋量に見合った筋出力が出ていない状態(筋出力抑制;後述 表2)により、筋代謝は少ない負荷で乳酸性代謝を起こすようになる。 乳酸性代謝は交感神経機能を活性化し、交感神経活動異常による呼吸筋をはじめとする自律神経支配半不随意筋の安静時筋緊張亢進が胸椎を中心として起こる。 脊柱矢状面アライメントは胸椎域がFLAT傾向となる。
2 心のストレス(心身相関)
心身相関
視床辺縁系で生じた情動反応や脳の疲労が持続すると脊髄下行性交感神経活動異常を惹起する。自律神経支配の呼吸筋を含む胸髄支配域の筋緊張亢進により胸椎FLAT化が促進される。
3 内臓のストレス(内臓-体制反射)

食のタイミングと質による内臓機能へのストレスが持続すると、内臓が有するサーカディアンリズム(自律神経日内変動リズム)が影響を受け、内臓‐体性反射による下位胸椎支配域の筋緊張亢進が起こる。矢状面脊柱アライメントでは下位胸椎FLAT化として観察できる。

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